”COAST TO COAST”ーすなわちある浜から別の浜を目指して長距離を泳ぐ遠泳を行っています。2列の隊伍を組み、船からの補給を受けながら計画した進路を仲間と共にゴールを目指して泳いでいきます。
三つの遠泳
葉山部門では3つのレベルに分かれた遠泳を各部員が1つ泳ぎます
第一遠泳
距離とペース、ともに葉山で最レベルの高い遠泳。
距離は主に40KM級の大遠泳で、過去には100KMを超えた遠泳も。富山湾、琵琶湖、津軽海峡と、名だたる海域で行なっています。
水泳を元々習っている部員だけでなく、大学から水泳をはじめた部員も数多く完泳しています。
第ニ遠泳
葉山部門における中堅層の泳者が挑む遠泳。 多くの場合、前年に「第3遠泳」を泳いだ部員が次のステップとして挑みます。 第3遠泳と比べ泳ぐスピードも上がり、距離も約20~30KMと長くなります。
第三遠泳
主に新入部員が夏に挑戦する遠泳。 距離は約15KM、千葉県館山市の塩見一岩井間を泳ぎます。
4月には25M泳ぐのがやっとの部員でも、遠泳を行う8月ごろには完泳できる泳力を身につけることができます。
毎年多くの水泳初心者の新入生が皆でゴールにたどり着いています。
遠泳のプロセス
遠泳において「遠泳計画」、「遠泳準備」、「遠泳サポート」は必要不可欠です。 約一年をかけてすべての計画・準備・サポートを学生主体で行っています。
01 遠泳計画
「遠泳計画」とは、その名の通り、どんな遠泳をするか計画することです。遠泳のルートやその遠泳を⾏う海域の情報だけでなく、緊急時の対応等、遠泳に関する全ての情報が詰まったもので、ページ数は100ページ以上になることも。
それ故、この「遠泳計画」を作るには膨大な時間がかかり、「遠泳計画」の開始は前年の遠泳を終えた直後の9月からはじまります。試行錯誤を重ね、約1年の期間をかけて作成します。
この「遠泳計画」は主に最上級生が中心となって作成し、同時に遠泳の海域も最上級生が選定します。
02 遠泳準備
遠泳を円滑に行うためには「遠泳準備」は欠かせません。準備は遠泳実施の2日前から行われます。
まず、サポートは遠泳計画書に基づき、記載されている装備品を準備するだけでなく、実際の遠泳のサポートで割り振られた各パート(船、車、合宿所)ごとに事前にミーティングを行います。
ミーティングでは当日の流れだけでなく、装備品の扱い方や緊急事態発生時の対応をはじめ、いかなるトラブルが起こったとしても迅速な対応を行えるよう、しっかりシュミレーションを行います。
泳者は休養期間に入ります。本番を想定して、実際の隊伝を組んだ練習以外は、基本的に自由時間となります。
03 遠泳サポート
葉山の遠泳の大きな特徴であるのが、この「遠泳サポート」です。自分が泳がない遠泳の時に泳いでいるメンバーを、海からも陸からもサポートします。
海サポートする「船パート」は指揮船と監視船に分かれてサポートを行います。指揮船は泳者に常に伴走し、休憩時に食料や飲料を渡すなどの任務を遂行しています。さらに、進路の決定等の戦路を練り、チームを完泳へと導きます。監視船パートでは、遠泳ルート上の潮流や天候などを調査して泳者を適切なルートに導きます。
また、泳者を先導するボートの漕手も、サポートの部員が務めます。漕手は、船から伝えられた適切なルートをコンパスを用いて泳者を引っ張り、ナビゲーターとして重要な役割を持っています。
他にも「車パート」や「合宿所パート」といった陸からのサポートを行う部員もいます。